なかとく技研

興味のあるテクノロジーや旅行写真などの備忘録

富岡製糸場と電力設備

世界文化遺産となって一躍脚光を浴びることになった群馬県にある富岡製糸場(正確には「富岡製糸場と絹産業遺産群」として登録)。もちろん、官営工場から出発した近代製糸場発祥の地として歴史の教科書にも載っている有名な場所であることはご存知の通りかと思います。

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同様の製糸工場としては、「ああ野麦峠」でおなじみの諏訪や岡谷などもありますが、動力機関として受電設備が残っているというのはインフラ好きとしては別の意味で興味が湧きます。

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見学に訪れたことがある方ならご存知かと思いますが、工場内に入ってすぐ左にある古い小屋のような建物が、高圧変電所(電気室)となります。

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戦後間もない時期に建てられた建物なので、うっかりしていると見落としがちなので要注意ですね。

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すりガラスから除いた現在の状況。すでに役目を終えて廃墟となっていますが、戦後間もないころの受電設備の面影は何となく残っているかと思います。そしてこの変電設備で変圧された電源は工場内の送電設備で各所に配電をされて機械化された紡績機器や工場内設備へと供給されています。

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電力会社のものとは違って、私設設備は個性があるので宝探しをしている気分ですね(笑)。歴史遺産等で一般に公開されている工場でないと自由に見て回ることが出来ないので、ちょっと貴重な体験だったです。もちろん富岡製糸場全体も見どころはたくさんありますので是非!

 

【追記】
富岡製糸場に電力を供給していたと記載のあった「西毛(せいもう)電気株式会社」につきましては、下記のURLに記した「産業技術遺産探訪」というサイトで詳細な説明がございましたので、ご興味のあるかたは是非ご覧ください。

http://www.gijyutu.com/ooki/tanken/tanken2004/seimou/seimou.htm